■園子温『非道に生きる』- 他の人と同じ考え方をするために生きるのなら、生まれてこなくてもよかった。
映画「愛のむきだし」を観てから気になってた園子温監督の本『非道に生きる』を読んだ。
「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」「ヒミズ」..など、愛や性、暴力を扱ったものが多く、『こんなの映画じゃない!』と賛否両論ある作品を数多く撮り続けている園子温監督。
他の人と同じ考え方をするために生きるのなら、生まれなくてもよかったと思います。少しでも面白くないと自分が思うことは一切やらない。それを他人が「非道」と呼ぼうが、知ったこっちゃない。
極端に生きる人の言葉は、僕たち一般人にはいつも心に突き刺さる。 「非道に生きる」までできなくても、自分に嘘をつかずに生きたいと改めて思った。
小学生の頃、「なぜ服を着て登校しなきゃいけないのか」と全裸で学校へ行ったエピソードや、飯を食うために宗教団体と左翼に入ったエピソードなど、予想どおりの破天荒な人生が語られていて、すごい面白かった。もう人生が映画みたいな人だ。
あまり監督を気にして映画を観ないので、「希望の国」という映画が園子温監督作品だと後からそういえばという感じで思い出した。(これも原発と放射能をテーマにし注目を浴びた。)
この本では、何より映画を撮っている際の裏側のエピソードを語ってるのが興味深かったです。まだ観てない作品もあるので、近々観ようと思います。
その人の世界観って、ちゃんと言葉にしてくれないと分からなかったりする。なぜこの人からこの言葉やシーンが出てくるのかってなんとなく見えてくるから、自伝みたいなものを読むのは好き。村上春樹の「職業としての小説家」もおもしろかった。前まであんまり気にしてなかったけど、最近は映画でも小説でも「作者の頭の中」が気になる。「これを描いたのはどんな人なんだろう」「何を思いながら作ったんだろう」って視点でみてしまう。
最新作の「ひそひそ星」が気になる。
今度はSFっぽい。
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本文引用↓
自分が面白がっているかどうかなんて、そもそも子供のころは一発で分かるものです。純粋にそれが分かる。だから子供が描く絵はピカソのように天才で自由ですが、少年時代に入るとすでに世間の左右を見渡して、青信号しか渡らなくなっている。つまらないけど、そこそこ優秀な絵で褒められることに慣れる器用な少年になっていく。自分が本当に面白がっているかどうかは二の次になる。
僕はその昔から、人が渡る青信号を絶対に渡らなかった。誰がなんと言おうと、自分が納得して面白いと思うこと以外、やらなかった。読まなかったし、見なかった。小さいころから、映画を見ても他人のレビューなんか読まなかったし、今だって僕が面白いと思う映画をほかの人があざ笑おうが、その映画をずっと評価し続ける。自分の映画の評判だってどうでもいい。僕が面白いんだから、それでいいのです。それが最も着実、確実に「面白いものを発見」できる方法です。本で読んだり、先生から教わったりした「面白さ」なんてどうせ既成概念そのものだし、教われば教わるほど、どんどん普通の考え方をする奴になってしまう。
これは映画に限らずレストランを開くコックさんだろうが同じ、商品の作り手すべてがそうだ。店の面構えも大事だけど、自分だけの味を本当においしく作る自信さえあればどんな貧相な店でも客は集まる。パッケージや見せ方を考える前に、肝心の内容が面白いかどうかを吟味してほしい。そうでなければ、自分にとっての面白さ、美味しさも次第に麻痺して分からなくなってしまう。そうなったら、生きる価値すらない。もう君は君という「本人」であることすら放棄してしまったのだから。