■「何もかも憂鬱な夜に」中村文則という小説家がすごい。
何度か読んでしまっている本です。
中村文則さんの本は、又吉さんの「火花」が流行った時に紹介されていた「教団X」をふと本屋で手にとってから読むようになりました。
「教団X」の衝撃が大きくて、他の本も読んでみたくなったのです。
「何もかも憂鬱な夜に」は、施設で育った刑務官の主人公と、夫婦を刺殺し、これから死刑になろうとする20歳の山井の話です。(短編集「世界の果て」もおすすめ。)
中村文則さんの小説は、登場人物たちの言葉に心を動かされ、哲学的な学びにもなります。
「これは、凄ましい奇跡だ。アメーバとお前を繋ぐ何億年の線、その間には、無数の生き物と人間がいる。どこかでその線が途切れていたら、何かでその連続が切れていたら、今のお前はいない。いいか、よく聞け」
そう言うと、小さく息を吸った。
「現在もいうのは、どんな過去にも勝る。そのアメーバとお前を繋ぐ無数の生き物の連続は、その何億年の線という、途方もない連続は、いいか?全て、今のお前のためだけにあった、と考えていい」
主人公が児童施設で恩師から言われた言葉です。
そして、刑務官となった主人公は、死刑囚の山井にこんな言葉をかける。
「人間と、その人間の命は、別のように思うから。・・・殺したお前に全部責任はあるけど、そのお前の命には、責任はないと思ってるから。お前の命というのは、本当は、お前とは別のものだから。・・・」
一部だけ切り取ってもあまり伝わらないかもしれませんが...。命や生きること、希望に向き合った作品が多いです。
何か他の小説とは違う世界観です。「生きていれば憂鬱な夜もあるけど、また前を向いて生きよう」と思わせてくれるのです。
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