■『四月になれば彼女は』川村元気 おすすめ小説
「世界から猫が消えたなら」「億男」の著者、川村元気さんの最新刊「四月になれば彼女は」読みました。
愛するってなんなのか、恋するってなんなのか。この本を読んで、いろいろと考えさせられました。
恋愛ものの本はあまり読まないけど、話題の本とか気になる著者さんであれば読みます。
この小説も、川村元気さんの最新刊だったので即買い。
「君の名は。」「怒り」「何者」など、(他にもたくさん) 話題の映画のプロデュースもしている川村元気さんの、恋愛観や死生観がすごく表れてる作品だと思いました。
4月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。
そのとき僕は結婚を決めていた。愛しているのかわからない人と――。
過去の彼女との回想シーンや、現在の婚約者とのやりとり、婚約者の妹や同僚の精神科医との会話の中などに、考えさせられる言葉がたくさん散りばめられています。
「誰かの気を引こうとするときには、人はどこまでも魅力的になれるんです。でもそれは一時的なものでしかない。手に入れたあとは、表面的で無責任な優しさに変わってしまう」
たしかに、付き合う前ってあんなに頑張るのに、付き合いだすと、表面的になってしまうこともあるかも...。
「ほとんどの人の目的は愛されることであって、自分から愛することではないんですよ」
うん、「愛されたい」が全面にでる面倒くさい人もいる。
「生きているという実感は死に近づくことによってハッキリとしてくる。この絶対的な矛盾が日常のなかでカタチになったのが恋の正体だとボクは思う。人間は恋愛感情のなかで束の間、いま生きていると感じることができる」
深い、、。
などなど、、。
「音もなく空気が抜けるように、気づけば「恋」が人生から消えている。 そんな時僕らはどうすべきか? 夢中でページをめくった」
という新海誠監督の推薦文が、読み終わってみて腑に落ちた。