■「貯蓄が増えない理由」と「体重が減らない理由」は、根本は同じ。
「貯蓄を増やす方法」と「体重を落とす方法」には共通点があります。
貯蓄を増やす方法
まず、貯蓄を増やす方法は以下の3つ。
1. 収入を増やす。
2. 支出を減らす。
3. 資産を運用する。
手取り30万円のサラリーマンを考える。この人が貯蓄を増やすためにいちばん手っ取り早いのは、「収入を増やす」ことです。
例えば、平日の昼間に働いているのだとすれば、土日にバイトすれば1日5000円だとしても、月に4万円の収入アップになるのです。
一方で、月給30万の人が毎月4万円の支出を減らすのはかなり大変です。かなりケチケチした生活になるのではないでしょうか。
また、資産運用で4万円稼ぐのも大変です。月収の10か月分の貯蓄300万円あったとしても、月4万円増やす(48万円/年)には、年利10%以上で運用しなければなりません。
つまり、貯蓄を増やすためにはバイトでもなんでも「収入を増やす」べきなのです。
けど、多くの人が「節約しよう」「運用して儲けよう」と考えます。それは、別に切羽詰まってないから、どうしてもお金が必要なわけではないからです。
「来月までになんとしてもあと10万円必要!」という状況であれば、誰でも休日や夜に働くという選択をするのではないでしょうか?
ダイエットも同じ。
痩せるには、次の3つが必要です。
1.食べない。(摂取を減らす。)
2.動く(カロリーを消費する。)
3.筋肉をつける。(基礎代謝を上げる。)
貯蓄のときと同じことが起こります。「痩せたい」という人の多くが、まず「ジムへ通う」「ランニングを始める」といいます。
しかし、痩せるために最も効果があるのは「食べない(摂取カロリーを減らす。)」のはずです。お菓子をやめる、高カロリーのものを食べない。これだけで痩せます。
けど多くの人は「運動する」「筋肉をつける」を始めるのです。
「本気で痩せないと今の体型が本当にいや!」という人や「このままでは命が危ないですよ」と医師に言われた人は、まず食事制限をします。これが最も効果があるから。
しかし、多くの人は、おいしいものを我慢してまで痩せたいわけではない。土日に働いてまでお金を稼ぎたいわけではないのです。
人は、効果は低いけど楽な方法に逃げる。
結局、人は切羽詰まらないと、「楽なほう」へ逃げるのです。
「地球にやさしく」「エコ」なども同じで、エコカーなんて乗らずに車を使わないほうが環境にはいいはずです。けど「そこまでして環境を良くしたいわけではない」から、なんとなく環境にやさしいという選択を無意識に選んでいるのです。
節約を頑張ってる人も、ダイエットのために運動を頑張ってる人も、「エコ」をすすんで選ぶ人も、根本的な思考は同じではないでしょうか。自分は「がんばっている」と思いたいだけではないでしょうか。
本当に貯蓄を増やしたいなら
本当に体重を減らしたいなら
本当に環境を良くしたいなら
、、、
やるべきことは他にある。
けど、人は「がんばってる自分」を手放せない。
※参考「ゆるく考えよう」ちきりん(2013)