本とボールと地球のあいだ

ゆるく、こっそり、いまを生きるためのブログ

ゲイのオーストラリア人絵描きに生き方を変えられた話。

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道端で知らない外国人に会った。彼は絵を描く。これまで60〜70ヶ国くらい旅をしているのだそう。27歳。これまでの経験からたぶんゲイ。話しかけられたのはそうゆう理由もあると思う。なぜかゲイにモテる。

絵を描いてもらったお礼にカレーをご馳走した。彼はそうやって助けてもらいながら旅をしているらしい。いわゆるバックパッカーというやつだ。日本には1ヶ月くらいいて、来月末から韓国→香港→ベトナム...という感じの予定みたい。

彼の生き方とか哲学にとても考えさせられた。自分も海外に一人で行くのは好きなので、バックパッカーなどでいろんな方に会ってきた。ミニマリズム、自然と調和した生き方、というのが流行っている。「流行っている」という言い方が正しいのかわからないけど、大学生とかよくやってる。同年代くらいの人たちもSNSで発信したりして、人と繋がったりする。自由に生きている様子や、考えを発信したり。「縛られない生き方を発信すること」に縛られる人たちも多くいる。


けど、彼はそんな人たちとは違った。

せっかく出会ったので繋がりたいな、どんなことしてるのかな、って思ったので当たり前のようにフェイスブックを聞いたのだけど、彼はフェイスブックをやっていなかった。

話によると、フェイスブックは広告の会社だから嫌なのだと。熱く語られた。途中理解できなかったのは英語力云々ではない。彼は頭が良すぎた。彼は有名になりたいわけでもなければ、自分の考えを広めたいわけでも、きれいな写真を自慢したいわけでもない。

彼は、自分の生き方をフェイスブックにあげて、「こうあるべきだ」「自分の生き方すごいでしょ」みたいなことはしない。人脈も広げる必要なんてないという。ただ自分の好きなように生きて、1日の終わりに「よかったな」と思えることが大切なのだ。「必要な情報も、連絡先もすべてこの中にある」と持っていたウサギの柄のリュックを指して彼はいう。

生きているといろんな人に出会う。ただ道ですれ違う人、一度だけ会って終わりの人、毎日顔を合わさなきゃいけないけど仲良くない人、会ったばかりなのになぜか仲良くなって長い付き合いになる人、、。

きっと、ぼくは彼に一生会うことはない。彼は自分の作品をネットにあげることもなければ、旅の様子をSNSでシェアすることもしない。だから、残念ながら彼の今後を知ることもできない。

彼はただ、自分の目の前の世界を生きている。そして、今日もたまたま出会った70億分の1の日本人に少し影響を与えた。

「会社や組織のためじゃなく、具体的な誰かのために生きたい。そこにお金は別にいらない」と彼は言った。地球の資源を無駄にすることを嫌った。煩わしい人間関係が増えるのもいやだと言ってた。「いまを大切にしよう」などと考えずにいまを大切にしていた。

 

自然に生きることが大切だと思った。