「書き出し小説」が面白い。
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
川端康成の小説「雪国」を読んでないぼくでも知っている冒頭の一文。小説ちゃんと知らなくても、書き出しは知られているってすごいですね。さすが名作。
書き出しは一瞬にして読者の心を掴み、鮮烈なイメージを呼び起こす。
けど、もちろん書き出しには続きがある。
なかなか続きを読むことが苦手だった僕には、「書き出し小説」ってすごく画期的でおもしろいです。
書き出し小説とは
再びおすすめの本の紹介です。
最近はあまり長い文章を読む時間がとれずにおります。
というわけで、こんな本をスキマ時間に読んで楽しんでます。
書き出し小説とは、文字通り「書き出し」のみによって成立した文学形式であります。
作者は自分の考えたオリジナル小説の冒頭だけを書き記し、読者はそこから自分なりの続きを想像する。というもの。
「書き出し小説」がおもしろい
さすが本にしてまとめてあるだけあって、この書き出し小説すごいおもしろいです。秀一なものばかりです。
一文だけで、情景や登場人物の性格などが伝わってきます。
自由部門、規定部門に分かれていて、
規定部門には、「失恋」「妹」「雨」「無職」「ボーイズラブ」、、などさまざまなテーマで書き出し小説が書かれています。
・エレベーターに挟まれたまま3日が過ぎた。賢く、ユーモアに溢れた人間でありたい。それしか頭になかった。
・美大のヌードモデルとして、父はネクタイを外した。
・その村では卑猥な形の野菜しか実らなかったという。
・友人がそろばん教室に通っていた頃、私はビームを出す練習ばかりしていた。
まあ、とにかくこんな感じでたくさんの書き出しが並んでいます。
いつか小説みたいなの書きたいなーとは思いつつも、なかなか書き出せないので参考にさせていただいて、楽しんでます。